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AWS全冠とは?全12資格の内訳・費用・現実的な取得順を解説【GCP全冠アーキテクトの視点】
「AWS全冠」のハードルは、昔より下がって、中身は難しくなった
AWS認定資格をすべて取得する、いわゆる「AWS全冠」。X(旧Twitter)で全冠達成の投稿を見て、「自分もやってみようか」と考えている人は多いと思います。
私はGCPで全冠を達成し、AWSはSAP(Solutions Architect - Professional)を含むプロフェッショナル資格を保有しています。両方のクラウドで資格を積み上げてきた立場から言うと、AWS全冠は2026年時点で「12資格」まで整理されており、数だけ見れば数年前より現実的になっています。かつては廃止前のSpecialty資格を含めて15種類前後あった時代もあったので、道のりは短くなりました。
ただし、その分AI系の新資格が増えて中身は現代的になっています。この記事では、全12資格の内訳と費用、現実的な順番、そして「そもそも全冠を目指す価値があるのか」を整理します。
2026年時点のAWS認定は全12資格
AWSは2023〜2024年にかけて認定体系を大きく整理しました。Data Analytics、Database、SAP on AWSといったSpecialty資格が廃止される一方、生成AIブームを受けてAI系の資格が新設されています。
2026年時点の構成は、Foundational 2・Associate 5・Professional 3・Specialty 2の計12資格です。
| レベル | 資格 | 受験料(税別) |
|---|---|---|
| Foundational | Cloud Practitioner(CLF) | 15,000円 |
| Foundational | AI Practitioner(AIF) | 15,000円 |
| Associate | Solutions Architect(SAA) | 20,000円 |
| Associate | Developer(DVA) | 20,000円 |
| Associate | SysOps Administrator(SOA) | 20,000円 |
| Associate | Data Engineer(DEA) | 20,000円 |
| Associate | Machine Learning Engineer(MLA) | 20,000円 |
| Professional | Solutions Architect(SAP) | 40,000円 |
| Professional | DevOps Engineer(DOP) | 40,000円 |
| Professional | Generative AI Developer | 40,000円 |
| Specialty | Advanced Networking(ANS) | 40,000円 |
| Specialty | Security(SCS) | 40,000円 |
受験料は基準価格(100〜300USD)の円換算で、為替レートに応じて見直されます。単純合計すると約33万円。ただしAWSには合格するたびに次回試験の50%割引バウチャーが付与される仕組みがあるため、順番に取っていけば実際の総額は20万円台前半まで圧縮できます。それでも決して安くはありません。
※資格の構成・受験料は変更されることがあります。挑戦を決めたら、必ずAWS公式の認定ページで最新情報を確認してください。
現実的な取得順序
全冠チャレンジは順番で難易度が大きく変わります。私がGCP全冠でも実感したことですが、試験範囲が重なる資格を連続で受けるのが最大の時短です。
- CLF → SAA:まず入口。SAAはAWS資格の中で最も教材が充実しており、ここで学ぶ設計原則が以降すべての土台になります。
- DVA → SOA:SAAと範囲の重複が多く、記憶が新しいうちに畳み掛けるのが定石です。
- SAP → DOP:最大の山場。SAPはAWS資格で一番の難関ですが、Associate 3つの貯金があれば戦えます。DOPはDVA・SOAの延長線上です。
- AIF → MLA → Generative AI Developer:AI系はこの順で。AIFは入門レベルなので、息抜きを兼ねて早めに取ってしまう手もあります。
- DEA → ANS → SCS:残りを仕上げる。ANSは体感的にSpecialtyの中でも骨があるので、最後に回す人が多いです。
期間の目安は、実務でAWSを触っている人でおおよそ1年〜1年半。未経験からだと2年仕事になります。SNSで見かける「半年で全冠」は、すでに実務経験が豊富な人の記録だと思っておいたほうが精神衛生上いいです。
AWS全冠に価値はあるのか?【本音】
GCP全冠を取った経験から言うと、全冠の価値は「知識の網羅」より「証明力」と「案件獲得力」にあります。
役に立つ場面ははっきりしています。SIerやクラウドインテグレーターでは、AWSパートナー制度の認定要件に資格保有者数が絡むため、全冠者は文字通り「頭数として」重宝されます。フリーランスの商談でも、プロフィールに全冠と書けるインパクトは大きい。単価交渉の場で疑われなくなる、というのが実感に近いです。
一方で、冷静に見ておくべき点もあります。
- 転職市場で評価されるのは実質SAP・DOP・SCSあたりまでで、「全部持っていること」への加点は思ったより小さい
- 資格の勉強だけでは、Terraformでの構築経験や障害対応の勘所は身につかない
- 維持コストがかかる(AWS認定は3年で失効するため、全冠維持は更新試験との戦いになります)
私の結論はこうです。キャリアの武器としてはSAP+DOP+αで十分。全冠は「武器」というより、学習習慣を証明する「勲章」。勲章に33万円と1年強を払う価値があるかは、所属企業の評価制度と自分のモチベーション次第です。資格が年収にどう効くかの実データはGCP全冠と年収の関係を書いた記事でも詳しく触れています。
全冠を目指すと決めた人へ:挫折しない仕組み
途中でやめる人のパターンはだいたい同じで、SAPかDOPの手前で失速します。対策は精神論より仕組みです。
- 先に受験日を予約してから勉強を始める。逆にすると永遠に「準備ができてから」になります
- 50%割引バウチャーの期限を「締切」として使う。もったいない精神は強力です
- 進捗をSNSか社内で公開する。全冠チャレンジは応援されやすいテーマなので、公開のデメリットがほぼありません
あとは、生成AIを学習に組み込むこと。模擬問題の解説をAIに深掘りさせる、自分の弱点分野だけの問題を作らせる、といった使い方で、私のGCP全冠時代より明らかに効率が上がっています。このあたりの勉強法は資格学習×生成AIの記事にまとめています。
よくある質問
AWS全冠には何年かかりますか?
実務でAWSを使っているエンジニアで1年〜1年半、未経験からなら2年程度が現実的な目安です。1日1時間の学習ペースなら、Associate 1資格あたり1〜2ヶ月、Professionalは2〜3ヶ月を見込んでください。
費用は総額いくらかかりますか?
受験料の単純合計は税別で約33万円です。ただし合格ごとに付与される50%割引バウチャーを毎回使えば、20万円台前半まで抑えられます。教材費(模擬試験や書籍)として別途2〜5万円程度を見ておくと安心です。
どの資格から始めるべきですか?
未経験ならCLF、実務経験があるならSAAからで問題ありません。SAAはAWS資格の中で教材が最も充実しており、ここでの学習が他の11資格すべての土台になります。
全冠とSAP単体、転職ではどちらが有利ですか?
転職の書類選考で効くのはSAP・DOP・SCSといった上位資格の有無で、全冠そのものへの加点は限定的です。転職目的ならSAPを最優先し、全冠は「取れたら取る」くらいの位置づけが費用対効果としては正解です。
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この記事を書いた人
まーぼー
現役のクラウドアーキテクト。AWS、GCP、Azureの3大クラウドを実務で横断的に設計・構築・運用。生成AI(ChatGPT / Claude / Dify等)をインフラ自動化や社内効率化にいち早く組み込み、キャリアアップに成功。現在は「クラウド×生成AI」をテーマに、次世代エンジニアに向けた実践的なノウハウを発信中。
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